山小屋バイト体験談part1
山小屋とは何ぞや ※最終更新日2018.11.15
こんにちは、Kataruです。
少し前のお話ですが夏3か月間山小屋でバイトしました。これからやってみようかという方の参考になればとお話しします。
結論から言うと、山小屋バイト・リゾートバイトはおススメです。
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・山小屋バイトとは
[概要]
まず山小屋とは山にある宿で、登山者が休憩や宿泊をするところです。
アルバイトスタッフはそこに住み込みでお仕事をします。バイトには一年を通して働く長期と、登山者の増える夏の2,3カ月だけの短期、そして夏1カ月だけの超短期の3つがあります。
※冬シーズンは営業していない(募集していない)小屋も多くあります。
私がしていたの短期でした。
一般的に男性スタッフの方が多いですが女性も応募できます。ネットで「山小屋 バイト」と調べるといくらでも見つかります。
[仕事の内容]
- 掃除
- 調理
- 接客
- 外作業
「掃除」は寝床の布団セットや片付け、トイレ清掃、小屋周りのゴミ拾いなど
「調理」は宿泊客に出す食事や自分たちのごはんをつくること
「接客」は軽食やグッズ(バッチやバンダナ)の販売、また宿泊の受付など
「外作業」は歩荷、登山道整備や壊れた設備の修理などの力仕事(基本女性はしません)
小屋の規模にもよります収容人数が多いかつ超短期を多く雇う(=人の入れ替わりの激しい)小屋はこの傾向があります。特に大学生などは、せっかくの貴重な時間をまるまるバイトに捧げるのだから、お金を稼ぐだけでなく多くを経験し学びとってほしい。
あと山小屋バイトといえば歩荷(食料や資材を背負って小屋に運ぶこと)ですが、現在はヘリコプターのおかげで回数はかなり減っています。
・労働環境について
山小屋といってもその場所と環境によって働きやすさは大きく変わります。
[快適なのか否か]
山小屋バイトを考える方は「自然に囲まれて働きたい!」という思いから標高の高く人里離れた山荘を選びがちです。しかし、スタッフにとって小屋は「働く場所」であると同時に「家」でもあります。
ほかの部分もよく検討して決めましょう。
正直、多少の不便に耐えられないなら山小屋で働くべきではありません。
山(小屋)はその隔離された環境ゆえに下界のように快適とはいきません。登山をされていて山小屋を利用したことがある人にとって当たり前ですが、「山小屋ってなんや」という人、「登山したことない」って人はよく調べましょう。
ライフライン系統や設備にはある程度の制限がかかります。不便を楽しめる、受け入れられるくらいでないとしんどい思いをします。
・電気と水
電気は消灯時間後(20-21時くらい)使えなかったり、無駄遣いはできません。私のときは悪天候や設備故障により一時的に停電・断水したこともありました。ただ宿泊施設ではあるので通常はどちらも問題なく使えます。
※コンセントの数は要確認
・携帯
携帯会社や機種にもよりますが圏外の山小屋のほうが多いでしょう。docomoは比較的山では強いです。最近はwi-fi導入の小屋もありますがまだまだ少数派(しかも遅い)ネット依存症の方は注意です。
・入浴施設
温泉・お風呂付きの恵まれた山荘もあります。しかし、大抵はシャワーがあればいい方で毎日入れるとも限りません。シャンプーリンスが使えるかは小屋の浄化システムに次第です。ドライヤーは電圧の関係で使えないところもあります。髪はパサパサになります。
・水回り
水洗トイレは天然記念物、大概は微生物分解によるボットンタイプです。トイレットペーパーは分解できないので備え付けのごみ箱へ。そしてそれを掃除するのはスタッフです。(慣れれば普通ですが)
・洗濯
私がいたところは水に恵まれていたので特に制限なく洗濯機を使っていました。でも毎日するのはめんどくさいので同じ服を何日か着てました。標高の高い山域だと制限なしとはいかないでしょう。
※ハンガー、洗濯ばさみは要確認
続いて、
・一日の流れ
<接客>
この時点で10時くらいです。売店で立ち寄り客の対応(軽食やグッズ販売)また外作業などがあればそれぞれ分担します。
<昼食>
客足が落ち着いたら昼食の時間です。スタッフが交代でつくります。忙しいときはあまりゆっくりできないこともあります。
<接客>
再び接客や外作業に戻ります。昼すぎから宿泊客が到着し始めるのでチェックイン対応もします。夕食の仕込みも取り掛かります。
<夕食>
お客さんに食事を出します。その後は大量の皿洗い。そして自分たちのごはん。
<就寝>
食事が終わればお客さんは寝床に向かいます。だいたい20,21時あたりです。スタッフはすぐ寝るも酒を飲むも自由で明日に備えます。
・休憩時間
「一日休憩ないんか?」と思われたかもしれません。大丈夫です。1日大体0~4時間ほど自由時間が与えられます。もらえるタイミングは朝食後や昼食後などバラバラ。娯楽がないのがアレですが、寝るも散歩するも、何をするのも自由です。忙しいと休憩もらえないときもありました。
↓小屋での暇つぶしに使えるサービス集めてみました。
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・休暇
まるまる一日仕事をしなくてもいいのが休暇です。1カ月に数日まとめてとることができ、スタッフは山を下りて実家に帰ったり、久しぶりの町ライフをエンジョイしたりします。休暇中のくせに縦走してくる猛者もいます。繁忙期の7月は休暇がないところもあります。あと土日より平日にとることをすすめられます。(単純に土日の方が忙しいから)
・給与
たいていは「日給〇円」と決まっていてそこから住み込み料や食費が引かれます。相場は6000~8000円くらい。ひと月分を翌月まとめてもらってました。
なお学生で「103万の壁」を破りたくない人は「実際は引かれて手に入らない住み込み料&食費も103万のうちに入る」ということに気を付けましょう。
住み込み料も食費も課税対象です。たとえば、日給7000円から引かれて手取りが6000円だったとしましょう。すると、103万の計算に含まれるのは6000円ではなく7000円です。油断してると壁越えちゃいますよ...私のように
※この税金関係は経営者に要確認
・小屋の規模と忙しさ
山小屋の忙しさは日によってかなり差があります。
ハイシーズン(7月)はほぼ毎日忙しく休憩も満足にとれませんが、8月後半か9月に入ってくると宿泊数はだいぶ落ち着いてきます。また、台風が来てたりして宿泊が全てキャンセルになったらパーティー開始。深夜まで声量気にせずの酒飲みまくりです。
大きな山小屋の忙しいときは宿泊何百人とか平気で来ます。そうなるとやることが多すぎて客さんの対応すらも「作業」になってしまいます。「今日はどこから来ました?」なんて世間話をする余裕もありません。また、そんな日が続くと人を見るのも嫌になってきます。
※決して雑な対応をするということではありません。小屋番も人間なので疲れもしちゃうという話です。
小さな小屋はスタッフも少ないので忙しいとき忙しいのは変わらないです。ただ私個人は小さい小屋の方が多くても40人とかだったので落ち着いて仕事ができました。小さい小屋の方がお客さんとの会話は楽しめるんじゃないかと覆います。
・ものの手に入れやすさ
「これがないと耐えられない!」という嗜好品。基本的に登山口から離れるほど、手軽にほしいものをゲットのが難しくなります。
休暇中に買ってくるか、下界へ行く他スタッフに「あれ買ってきて~」とお願いする、またはヘリ荷揚げのときに頼むなど。あらかじめある程度持って行った方がいいと思います。
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・タバコ
禁煙だけど屋外ならOKという小屋が多いので吸えないことはありません。私の先輩にも一日一本だけ吸う人はいました。ただヘビースモーカーさんは接客業ゆえ臭いに気を付けるのと、仕入れるのが手間かもしれないことを覚えておきましょう。
・個室の有無
私の場合、個室ありのところで宿泊客が少ない日は空いてる個室を使えました。逆に団体客でいっぱいのときは食堂で寝ることもありました。女性スタッフには専用の個室があるところも。
共同生活において「一人の空間」というのは結構大切です。
というのも山小屋という閉鎖された環境で毎日同じ人間といると何とも言えない気疲れが生じるからです。ここら辺は次回の「山小屋での人間関係」のときにお話しします。
☆まとめ☆
以上、山小屋バイトの概要&始める前に考えてみることでした。ごちゃごちゃ言いましたが小屋によって違うからとりあえず直接聞く。「今山小屋バイトに興味がって...」と電話orメールして聞けばいいです。
part2では「山小屋の人間関係」についてお話します。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。