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【入門】「絵画鑑賞の楽しみ方がわからない」という人へ

 楽しめるものが多いと人生は豊かになると思う。

こんにちは、Kataruです。
わたしも最初は「退屈でなにがすごいのか分からない」と思ってました。

しかし、断言します。「絵を観る」のは楽しい。

まずは「好き」か「そうじゃないか」

さあ、ここは美術館。今あなたの前に一枚の絵があるとしましょう。

まず頭の中で考えるべきなのは「いつ誰が書いたもので...どんな技法が使われていて..ここが~を表現している!ドヤァ」とかではありません。

最初はシンプルに、パッとみて「その絵が好きかどうか」考えましょう。それだけです。

多くの人は「絵画というものはどれもこれも素晴らしく何かしら意味があるもの」と思い込んでしまってます。しかし、そんなに肩に力を入れることはありません。

たとえば、同じ芸術の枠に位置する音楽。みなさんは「この世のありとあらゆる音楽が素晴らしい」と思いますか?
そんなことないですよね。「毎日聞くようなお気に入りの曲」「自分の趣味じゃない曲」それぞれあるでしょう。

絵画についても同じで、「いい」も「悪い」もあなたが決めていいんです。

多くの人は、音楽なら自分の感覚に素直なのに、絵画となると本当は「なんだかよくわからないなぁ」と感じても口に出そうとしません。

それどころか「絵のよさがわからないのは鑑賞者側の問題」とまで思っているように感じます。そして、そばにある説明書きを読んで「なるほど」と変に納得して終わらせてしまいます。

絵画鑑賞というものの「お高い」イメージがそうさせているのかもしれません。しかし、絵画だからと身構える必要はありません。直感であなたが「好き」と思えるかどうか。

逆に「あんまりだな」「ピンとこない」と言ってもいい。別にその理由を言葉にできなくてもいいんです。

まとめ
「よくわからない」も1つの立派な感想!
難しく考えずに自分が「いいな」と思える作品を見つけよう!

グーペ

 

dehairijiyunoniwa.hatenablog.com

どうやって楽しむか?

心構えのお話でした。では実際にどのように手段で絵画を楽しむのか。

答えは簡単、「美術館に行くです。

有名な絵ならネットで手軽に見ることができる便利な時代。しかし、多少お金がかかっても足を運んで実物を見るべき、と私は思います。

理由は2つ。

 

①近くで見られる
展示方法にもよりますが、美術館では文字通り「目の前」で見られるのが最大の利点です。ガラス張りの少し離れている場合は自前の単(or双)眼鏡を使う人もいます。

近くでみるということは作品の細かなところまで見られるということです。絵画の多くには遠目からではわからない作品の質感(素材感)や微細な表現を含んでいます。

そして人間の目というのは見えてはいるけど見ていない、ということがしばしばあります。物理的を縮めて初めてこれらをとらえることができます。

 

雰囲気を感じられる
①だけだと「スマホでもズームくらいできるわ!」といわれそうですね;しかし、絵のもつ雰囲気というのは、実際に作品を前にしないと感じられません。

わかりやすい例を挙げると「大きさ」でしょう。

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これは俵屋宗達風神雷神図屏風
教科書にもよく登場する有名なものです。この作品、二枚(曲)あわせて縦154.5cm横339.6cmあります。結構大きくないですか?

スマホやパソコンの小さな画面で見るのと、実際に見るのとでは迫力がまるで違います。

 

そもそも絵画というものは、壁に掛けられるなり床に立てるなり、壁やふすまに直接描かれたりして空間の一部となるものです。そしてその大きさや形式が、その作品だけの雰囲気をわたしたちに感じさせます。

それは作品の佇(たたづ)まいともいえます。

存在感がある、静けさを感じる、作品によってさまざまです。携帯の画面上で見ているのはただの「データ」です。実際に作品の前に立ち、対峙することでその作品のあり様が感じられるものです。

「美術館に行く」以外にも画集や複製品を買うという選択肢もあります。自分の手元にあっていつでも楽しめる、というのが魅力です。

ただ作品を「味わう」となると、やはり美術館やギャラリーで直接見るのが一番だと私は思います。

まとめ
美術館に行って直接見ることで作品の細部や雰囲気まで感じることができる!

エルセーヌ

知識はいるのか?

あるに越したことはないが必須ではありません。

最初にいったとおり、とりあえず何も考えず見てみる。なんとなくでも「好きだな」「いいな」と興味が湧いてからその絵のこと、作者のことを調べてみましょう。

そこからじゃあこの作者のほかの作品はどんななのか?ジャンルは?若いときの作品、晩年の作品は?同時期の他の作者はどんなのがいるのか?と興味の範囲を広げてみる。

 

そうやって多くの作品に触れるうちに絵のどこがどういいのか、自然と着眼点がついてきます。「知識を付けてから絵を見る」というよりは「興味のある絵を見ているうちに知識がつく」という感じです。

ただ、そうやって知識が増えていくとそれに囚われ、純粋に絵を楽しめなくなることがあります。聞いてもいないのに「この絵は~(以下うんちく)」と喋りだす人、「知っている」ことに「知識がある」ことに酔っているような人はどこにでもいます。

 

知識が作品の理解を助けるのも事実ですが、言ってしまえば絵画鑑賞も娯楽の一つです。研究者ならともかく、どんな絵を見るときでもごちゃごちゃ考えすぎないようにしましょう。

そばにある解説も一旦置いておいて、自分の感覚で楽しむことを忘れずに。

dehairijiyunoniwa.hatenablog.com

まとめ
知識は必須ではない!
自分の気に入った作品から範囲を広げよう!
知識を増やす<自分の感覚で楽しむ!
初めての方におすすめの絵は

有名な著者の作品がいいでしょう。
教科書で見たことがある、名前くらいは知ってるような作品だと取っつきやすい。

それと、どんな美術館・展示会でも売りにしてる目玉作品というのがあります。大抵はだれもが知っているような作品、歴史的価値が高いものなどです。

それらにくわえて、いくつか「これいいな」と思えるものが新しく見つかれば十分です。展示品すべてをじっくり見ようとすると結構疲れます。

「1つでもいいからお気に入りの作品を見つけよう」というくらいで大丈夫です。

気軽に楽しみましょう。

まとめのまとめ
まずは有名な作品や目玉作品を見に行く!
美術館に行って直接見ることで作品の細部や雰囲気まで感じることができる!
「よくわからない」も1つの立派な感想!
難しく考えずに素直に「いいな」と思える作品を見つけよう!
そこから関連する作品を見て興味を広げよう!
知識は必須ではない!
知識を増やす<自分の感覚で楽しむ!
絵画の面白さはゲラゲラと笑えるようなものではありませんが、そこは歴史と結びついた知的で深みのある世界です。
興味のなかった方もぜひ一度近くの美術館に足を運んでみてください。あなたの人生で、楽しめるものが一つ増えればと願っています。
加筆(2018.10.26)

作品を見る上で「自分はこんな絵を描けるか?」という視点から鑑賞するのも1つの楽しみ方です。もちろん描けないわけなんですが、じゃあ「なぜ描けないのか」を考えます。

人物の表情とか色の使い方とか質感の表現とか...よ~くみてみてください。その作品のよさを見つけるきっかけになるでしょう。
以上。加筆部分。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。